外務省主催のシンポジウムに行ってきました。
お題は、遺贈寄付と国際協力NGOについて考えるというもの。
遺贈寄付とは、自分の遺産を相続する代わりに、非営利団体などに寄付をするというもので、基本的には信託銀行を通して遺言書の作成などの手続きをするようになっています。
これが日本ではまだまだ一般的と言えるものではないのですが、特に日本国内で公益法人格を取得して活動しているNGOが先駆けて、支援者の方々に遺贈寄付をお願いすることをしていて、その事例報告と今後に向けての提言を行なうというシンポジウムでした。
ADRA Japan としても、遺贈寄付のお願いをしていきたいとは思っているのですが、なかなかそのための労力を割くところまでいかず、どうやったら始めることができるかと思案している段階です。
今日のシンポジウムでは、まず、公益法人協会の理事長の方が、現在、公益信託制度に関する法律が抜本的に改革される段階に入ってきていることをご紹介くださり、現在は基本的に信託銀行が受託者になることになっているものが、今後規制が緩和され、公益法人や認定NPO法人なども公益法人の受託者になることができる見込みがあることを教えてくださいました。
ADRA Japan も現在認定NPO法人になるステップを踏んでいる最中ですので、今後、ADRA Japan 自身が公益法人の受託者になり、支援者の皆さんに対して、遺産で基金を設立しませんか?といった働きかけをすることが、これまで以上に積極的にできるようになるという可能性が出てくるというわけです。これは耳より情報だったと思います。
それから、遺贈寄付に関して、日本のNGOを対象に行った調査の報告もありました。日本ではまだ遺贈寄付をしてくださる方の数が非常に少ないということや、比較的相続財産の寄付をしてくださる率が高いことなどが報告されていました。
最後は、遺贈寄付のお願いを積極的に行っている団体の役員や、弁護士、コンサルの方などをパネラーとするパネルディスカッションがありました。モデレーターの方が非常に上手に進められたので、もう少し聞きたいなと思っているところをたくさん聞くことができました。
特に心に残ったのは、遺贈寄付をお願いするということは、早く死んでくださいと言わんばかりのお願いになってしまう気がして、あまり積極的になれないという話がよくあるが、そういうことではなく、日本に寄付文化を根付かせるためにも、こういう方法で世界の人の役に立つことができるんですよという情報を提供していくということは、国際協力を行なうNGOにとっての大きな使命の一つであるということでした。
フロアからの質問もあり、印象的だったのは、ある地域で老人協会の役員をしておられる方からのコメントでした。高齢者の方々は、振り込め詐欺で何千万も騙し取られてしまうくらいであれば、世界の窮状を救うための資金として自分の財産を用いてほしいと心から思っておられること。ただ、あまりにも情報が少ないので、よくCMで目にする国連関連機関や日赤などに寄付をすること以外には考え付かないというのが現状であること。だから、今日のようなシンポジウムは、専門家のために開くのではなく、より広く一般的に情報を提供する機会としてほしいといった要望を交え、現状をお話しくださいました。
ADRA Japan も含めて、NGOが一般の方にも分かりやすい情報を出していくということについては、本当にへたっぴだなと思わされています。
自分たちがどんなにすばらしいことをしているかをアピールするにとどまらず、支援者の方の話に耳を傾け、どのような貢献がしたいと思っておられるかを汲み取り、そのニーズに応えることができるような提案をしていく「コンサル力」が問われるのだということを考えさせられました。
特に日本のように、死というものを忌避する傾向の文化の中にあっては、いかにそれを将来のイベントして積極的に考えていくことができるかということが非常に根本的な問題となるわけで、そこはやはり、宗教者の関わりも求めつつ、死は否定的な側面のみではないということを含めてコンサルティングが必要な分野であるのかなとも思いました。
まだ始まったばかりのことであるからこそ、できることはたくさんあるわけで、広い視野を保ちつつ、今何が求められているのかを的確にとらえ、各方面のニーズに応える働きをしていくことができたらと思います。
お題は、遺贈寄付と国際協力NGOについて考えるというもの。
遺贈寄付とは、自分の遺産を相続する代わりに、非営利団体などに寄付をするというもので、基本的には信託銀行を通して遺言書の作成などの手続きをするようになっています。
これが日本ではまだまだ一般的と言えるものではないのですが、特に日本国内で公益法人格を取得して活動しているNGOが先駆けて、支援者の方々に遺贈寄付をお願いすることをしていて、その事例報告と今後に向けての提言を行なうというシンポジウムでした。
ADRA Japan としても、遺贈寄付のお願いをしていきたいとは思っているのですが、なかなかそのための労力を割くところまでいかず、どうやったら始めることができるかと思案している段階です。
今日のシンポジウムでは、まず、公益法人協会の理事長の方が、現在、公益信託制度に関する法律が抜本的に改革される段階に入ってきていることをご紹介くださり、現在は基本的に信託銀行が受託者になることになっているものが、今後規制が緩和され、公益法人や認定NPO法人なども公益法人の受託者になることができる見込みがあることを教えてくださいました。
ADRA Japan も現在認定NPO法人になるステップを踏んでいる最中ですので、今後、ADRA Japan 自身が公益法人の受託者になり、支援者の皆さんに対して、遺産で基金を設立しませんか?といった働きかけをすることが、これまで以上に積極的にできるようになるという可能性が出てくるというわけです。これは耳より情報だったと思います。
それから、遺贈寄付に関して、日本のNGOを対象に行った調査の報告もありました。日本ではまだ遺贈寄付をしてくださる方の数が非常に少ないということや、比較的相続財産の寄付をしてくださる率が高いことなどが報告されていました。
最後は、遺贈寄付のお願いを積極的に行っている団体の役員や、弁護士、コンサルの方などをパネラーとするパネルディスカッションがありました。モデレーターの方が非常に上手に進められたので、もう少し聞きたいなと思っているところをたくさん聞くことができました。
特に心に残ったのは、遺贈寄付をお願いするということは、早く死んでくださいと言わんばかりのお願いになってしまう気がして、あまり積極的になれないという話がよくあるが、そういうことではなく、日本に寄付文化を根付かせるためにも、こういう方法で世界の人の役に立つことができるんですよという情報を提供していくということは、国際協力を行なうNGOにとっての大きな使命の一つであるということでした。
フロアからの質問もあり、印象的だったのは、ある地域で老人協会の役員をしておられる方からのコメントでした。高齢者の方々は、振り込め詐欺で何千万も騙し取られてしまうくらいであれば、世界の窮状を救うための資金として自分の財産を用いてほしいと心から思っておられること。ただ、あまりにも情報が少ないので、よくCMで目にする国連関連機関や日赤などに寄付をすること以外には考え付かないというのが現状であること。だから、今日のようなシンポジウムは、専門家のために開くのではなく、より広く一般的に情報を提供する機会としてほしいといった要望を交え、現状をお話しくださいました。
ADRA Japan も含めて、NGOが一般の方にも分かりやすい情報を出していくということについては、本当にへたっぴだなと思わされています。
自分たちがどんなにすばらしいことをしているかをアピールするにとどまらず、支援者の方の話に耳を傾け、どのような貢献がしたいと思っておられるかを汲み取り、そのニーズに応えることができるような提案をしていく「コンサル力」が問われるのだということを考えさせられました。
特に日本のように、死というものを忌避する傾向の文化の中にあっては、いかにそれを将来のイベントして積極的に考えていくことができるかということが非常に根本的な問題となるわけで、そこはやはり、宗教者の関わりも求めつつ、死は否定的な側面のみではないということを含めてコンサルティングが必要な分野であるのかなとも思いました。
まだ始まったばかりのことであるからこそ、できることはたくさんあるわけで、広い視野を保ちつつ、今何が求められているのかを的確にとらえ、各方面のニーズに応える働きをしていくことができたらと思います。